兄達に抱かれる夜
第8章 君は誰かな?
和side
運転手には俺が恵麻を迎えに行くと言っておいた。
愛車で学習院高等学校まで、迎えに行き、校門の前で恵麻を待つ。
色んな生徒がジロジロと俺を見ていく。
赤いフェラーリは目立ち過ぎたか。
恵麻が昔、綺麗な色だと言っていたから。
…………待つのは苦手だ。
見覚えのある女子生徒、恵麻と一緒にいるとこを見た事がある。
男子生徒2人と、女子生徒1人と楽しそうに話をしている。
「ねぇ、君、恵麻を知らないかな?」
思わず声をかけると、女の子達の顔が赤くなる。
可愛いな。
男子生徒は興味深そうに、俺の愛車を目を輝かせて見ている。
「あっ、お兄様こんにちは、それが、さっきまで一緒にいたんですけど、急にいなくなっちゃって、どうしたのかなって言ってたんですよ?」
「じゃあ、まだ、学校かな?」
忘れモノでもしたのだろうか?
「ありがとう、ちょっと探しに行ってくるよ」
恵麻の友人達に手を振り、学校の方へ向かった。