兄達に抱かれる夜
第9章 こんなこと、もうやめて。
「……兄様なんかじゃない、名前で呼べよ……恵麻……っ」
ズンッ、ズンッ、ズンッ、ズンッ
激しく貫かれて、衝撃で腰がふわりと浮いて、翔太兄様の手が、あたしの腰を両手で持ち上げて支えられた。
「あ〜〜っ……そんなに……したらっ……壊れる……っ……だめっ……翔太……兄様……っ」
「兄様って……言うなよ……!」
「ああ〜〜〜っ!」
激しい快感の波があたしをさらっていく、快楽の嵐に飲まれて、全身を震わせて、うっとりと体の力が抜けていく。
絶頂を迎えて、かくん、体が力尽きて、ベッドへと体が沈むのに、翔太兄様の動きは少しゆっくりとしたものに、変わるけど、ずっと体を揺さぶられ続ける。
じゅっぷ……じゅっぷ……じゅっぷ……
静まり返った部屋に響く、粘膜の擦れる音。
「恵麻……愛して……いるのに……」
掠れたような、甘い声は、どこか遠くに響いて、あたしの心には、届かない。
快感に支配されて、絶頂を迎えて、気を失ったあたしは、いつの間にか、甘い夢を見た。
「お前をここから連れ出す……待っていてくれ……」
優しく抱きしめられて、翔太兄様にキスをされる夢を見た。
何度も何度も、繰り返し、甘いキスをされて、幸せな夢を見た。
恐い夢は、その日は見ることは、もう、なかった。