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愛してるのに,愛せない(続)

第1章 スキマ(続きから)

((千晃side))







部屋に戻り,寝室に入る




みんなはすでに寝ていたが,どうしても夜はあの日のことを思い出してしまい寝れない



小学生の頃のことはほとんど覚えていないのに,あの日の記憶だけは今も鮮明に残っている





だっちゃんは,ママと全く同じことを言った





でも,自分の望む選択をしたら…




みんながいなくなっちゃうんじゃないかと思うと





怖くてそんなことできない





あの日のことを思い出すたび,嫌になって寝返りをうつ





宇「千晃…??ねれ…ない…?」



気づけば宇野ちゃんが起きていた



千「うん…(笑) ごめんね,起こしちゃった?」



宇「ううん、そんなことないよ。なにかあった?」



誰かと話すことで落ち着きたかったけれど,このことは誰にも話せなかった




千「うん…でもね,嫌なこと思い出しただけだから…」


宇「家族…のこと…??」



みんなは私の家族がいないことだけ知っていた


今はお父さんが再婚して,新しいお母さんがいる…ということだけ



千「うん……」


すると宇野ちゃんは,自分のベッドに私を招いた


宇「じゃあ,一緒に寝よっか!」



宇野ちゃんは,私をぎゅっと抱きしめてくれた

思わず泣いてしまった



宇「ちあき…,1人で抱え込まないでね?千晃の過去になにがあったのか,どんなに辛い思いしたのかは私には到底理解できないことだと思うけど,これから先助けていくことはいくらでもできる。私たちは絶対にいなくならない。離れない。だから,安心してね?」

千「宇野ちゃんありがとう…」




宇野ちゃんが「いなくならない」って言ってくれたのが本当に嬉しくて,安心して



眠れなかったのが嘘のようにしっかり寝れた

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