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愛してるのに,愛せない(続)

第1章 スキマ(続きから)

((千晃side«回想»))




電車を降りて遊園地に一番近い駅に着くと,大きな観覧車が見えた


千「ママ!観覧車みえたよ!」







観覧車があるほうに向かってまっすぐに走った






目の前に大きなトラックが迫っているのに気づかず…







「ビーー」っというトラックのクラクションに気づき,振り返った時にはトラックが前に迫っていた














ドンッという鈍い音と共に,道路の外へ弾き飛ばされた









目を開いた先で見たものは…………………











血だらけで道路に横たわる母の姿










夢中で母の元へ走った


体中に電気のように痛みが走るが,そんなことはどうでもよかった



千「ママ!!しっかりして!!ママ!!」


血だらけの母の体を揺ると,母はかすかに目を開けて,弱々しい声で私に話しかけた


母「ち…ぁき………さみ…し………おも…い………させて…………ご…め………っんね……」


千「ママ!!死んじゃやだよ!!!ママ!!」


母「だ……い…すき……だ…よ………」


























その後,母が再び口をひらくことはなかった

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