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愛してるのに,愛せない(続)

第5章 負けない心

((千晃side))





会場に付き,マネージャーの私たちは一気に忙しくなる




宇野ちゃんはスタメンやポジション説明用のホワイトボードにわかりやすく丁寧に書き込んでいく




私は差し入れを綺麗に並べてラップをかけ,お茶とスポーツドリンクを人数分用意する


アップが終わった選手の汗をおさえたり,足を痛めた人の処置も行った




そんなことをしているうちに,キックオフを迎える




最初に蹴り出すのはだっちゃんだった





全国に行く





そう言ったみんなのまっすぐな目を思い出す






大きく息を吸い,みんなに向かって叫んだ




千「ふぁいとーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!」




その声に気づいてくれたのか,だっちゃんがこちらに笑顔を向けた




ピーっとホイッスルが鳴り,試合が始まった





記録をしたり,飲み物を継ぎ足したりと動きが多い中,懸命に戦うみんなを見つめていた





開始17分ほどで,秀ちゃんからのパスをもらっただっちゃんがシュートを決めたが


そのすぐあとに相手チームにシュートを決められてしまった


その後は互いに得点が無いまま,前半が終わる





宇「守りがかなり堅いね。だっちゃんのことかなり警戒してきてる。」

秀「最後のほう日高のマーク2人付けてたな」

日「俺と西島がパス回すから,コントロールがきく真司郎と秀太がシュートの形とってみるか」

與「…いや,俺のシュートでも守り強すぎて突破できん,あれは日高やないと」

日「…俺から注意を外すためには,後半ぎりぎりまで真司郎と秀太がシュートに回った方がいい。時間をかけて完全に注意をそらして,残り時間ぎりぎりで俺が戻る」

西「でも,それってかなりリスクあるよな」

浦「PKになったら,俺はシュート止められる自信ないな…」

與「残り5分からの,俺と秀太のパスの回し方次第…ってとこやな」

秀「…わかった,これで行ってみよう。最善を尽くす。」

その話し合いからは,本気で勝ちたいという気持ちが感じられた

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