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愛してるのに,愛せない(続)

第5章 負けない心

((日高side))





全国をかけた試合ともあって,相手チームも強い




それでも俺達は確実にボールを繋いでいく




秀太からもらったパスを,相手チームのわずかな隙を見つけて差し込む



そこは綺麗にゴールが決まったものの



相手チームのDFを突破することができなくなりはじめた


相手チームの選手2人が俺を徹底的にマークしている




俺がゴールを決めたすぐ後に相手にも点数をとられ,そのまま前半が終わってしまった





なんとかゴール前まで行ければ,絶対にゴールを決められるのに





考えた末,賭けに出ることにした






後半戦,残り5分に~3分なるまで,俺は一切シュートを決めようとせずに真司郎にパスを出し続ける





真司郎の強いシュートを警戒して,そちらにマークを付けて油断した残りわずかな時間で





俺がゴールを決める






死と隣り合わせのような状態だ







それでもこれしか方法はなかった


















後半40分を過ぎた




相手チームは俺の思惑通り,真司郎にマークを付けた




幸い後半はここまで,なんとかゴールを決められずにすんだ






ここで決めれば,全国で戦える








相手が強いことなど百も千も承知







チャンスが来るまで,ただひたすらにボールを追い続ける






監督「残り1分!!!」





相手チームのボールを止めた直也くんから一気にパスが回る




西島,秀太,真司郎の3人が繋げるパスは変幻自在で,誰も予測不可能だ





監督「残り15秒!!!」





ぎりぎりの戦いだった








ボールを持った真司郎が一気に駆け上がり,秀太に繋げる






秀太にはマークがつきはじめていた







なんとかぎりぎりのところで受け取ったパスだったがその角度は絶妙で,最後に決めやすい舞台が整っていた






俺にパスが回った時,





千「だっちゃんいけーーーーーっっっっっ!」







千晃の声が聞こえた







力強くボールを蹴り込むと,






























ボールは綺麗なカーブを描きながら,相手チームのゴールに突き刺さった

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