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愛してるのに,愛せない(続)

第5章 負けない心

((宇野side))







直也くんの家に行く前に,真司郎を私の家に呼んだ







家に向かう途中もあまり話さなかった






真司郎も私の態度に怒っているのかもしれない






宇「はい,上がって」

與「おじゃまします…」




麦茶を出し,向き合って座る




與「話…って…なに…?別れ話なら聞かへんで」

宇「聞かないってなに,私より好きな人いるくせに」

與「は,俺は実彩子だけやし」

宇「かわいい女の子と歩いてた」

與「…」

宇「私がデート誘った日に歩いてた。記念日の日だったのに。次の日も一緒に歩いてた。その子の家に行ってた」

與「あれは友達で,相談乗ってあげてたんや」

宇「私との記念日よりその子のほうが大事ってことね」

與「そんなこと言ってへんやん」

宇「だってそーゆーことでしょ!?楽しそうに歩いてたもんね。好きなんでしょ?その子と付き合っちゃえばいいじゃん」

與「誰も好きなんて言うてへんわ」

宇「じゃあなんで!?」

與「実彩子に誘われる前から相談乗ってあげてたんや」

宇「じゃあずーっと前から仲良くしてたんだ。」

與「困ってる人助けて何が悪いん!?」

宇「どうせて私と別れて付き合おうって相談でもしてたんでしょ?いいよ別れても」

與「ほんまいいかげんにしろや。ちゃんと俺の話聞けや」




真司郎の話もろくに聞けなかった

私が単に嫉妬してるだけ

わかってても,心がついていかない




宇「…真司郎の話なんて聞きたくもないわよ!!」

與「…ほんなら別れてもええんやな!?」

宇「…」

與「後悔しても知らんで」

宇「…つ……うっ……」

與「泣くくらいやったら最初から別れるなんて言うなや……」



真司郎はそう言うと,ぎゅっと抱きしめてくれた




與「ごめんな,強く言いすぎた」

宇「私こそ……ごめん……」

與「ほんまにただの友達やから,俺には実彩子だけやから」



真司郎はそう言うと,おでこにキスをしてくれた



與「ほら,行くで」

宇「うん」



今度はちゃんと手を繋いで,楽しく喋りながら歩いた

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