テキストサイズ

大型犬との夏波乱

第4章 ~文彦の魔の手~

「そんなの、騙される方が悪いんだよ
それに、大喜は今その人との同居で幸せなんだろ?
なら、俺に感謝しろよ
俺のおかげで、今の暮らしがあるんだろ?」

「お前、ふざけんなよ!
お前の借金のせいで、小太郎さんにも迷惑をッ!」

「……。」

小太郎さんは、さっきから黙って俺と文彦のやりとりを見ている。

「小太郎さんって言うのか
ねえ、小太郎さん!」

「?」

文彦は、視線を俺から小太郎さんに移して、小太郎さんに話しかける。

「借金返済には感謝してますよ
ですが、大喜の言い分おかしいと思いません?」

「おかしいって…?」

「間接的には、俺の借金の事でアンタに迷惑かけたかもしれない
でも、小太郎さんに1番迷惑かけたのは大喜ですよねぇ?」

やらしい邪悪な笑みを浮かべながら、小太郎さんに聞く文彦。

「元はといえば、大喜がアンタと同居しなければ巻き込まれずに済んだ」

「……。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ