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大型犬との夏波乱

第4章 ~文彦の魔の手~

多分、内心では大喜君も分かってる筈…。

「いやぁ、小太郎さんは理解があって良いですねぇ!
誰かさんとは、大違いだ(笑)」

「文彦、お前ッ…。」

「それでも、きみには1つだけ感謝している」

「「?」」

大喜君の手を握りながら、真っ直ぐ文彦を見た。

「そのおかげで大喜君と出会えた、大喜君と同居して恋人になれた、今もこうして一緒に居られる幸せを手に入れられた」

「小太郎さん…。」

僕の手を握り返す大喜君。

「ポジティブな人だ
それじゃあ、俺はそろそろ失礼するよ
雲隠れする準備もあるしね」

「もう二度と、俺達の前に現れるな!」

「さあ?
それを決めるのは俺だ」

そう言い残して、文彦はこの場を立ち去って行った。

「大喜君、帰ろうよ」

「……はい…。」

僕達は、車に乗り込んだ。

◇道中◇

-文彦視点-

「いやぁ、まさか借金返済されてたのは予想外だった」

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