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大型犬との夏波乱

第4章 ~文彦の魔の手~

◇車の中1◇

-小太郎視点-

「しつこい車は、嫌われるよ」

車のスピードを、違反にならない程度にギリギリ上げて運転する。

「チッ」

しかし、僕の車を追跡してる車もスピードを上げて、負けじと追いかけて来る。

「ん?」

スマホの着信音が鳴り始めた。

「大喜君か」

スマホの画面には、大喜君の名前が出ていた。

「多分、僕の車を追跡してるって事は…。」

この車の持ち主が、僕って知ってる人間…。

「このタイミングで、こんな事をする人物は思いつく限りアイツしかいないな…。」

碇文彦、アイツだろう…。

◇車の中2◇

-文彦視点-

「急に、速度を上げたって事は追跡に気付いたか」

運転する俺の今彼が、小太郎さんの車を見ながら言った。

「小太郎さん、意外に勘が鋭いんだね」

俺と今彼は現在、小太郎さんの追跡をしている。

目的は、大喜が同居している小太郎さんの家を探すため。

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