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第6章 Valentine's day
「なんで早く買わなかったんデスカ」
「そうですよね俺もそう思います」
現在都内で恋人黒尾さんと仲睦まじく同棲している月島に電話したところ、丁度近くで買い物をしていたようなので合流した開口一番に今一番言われたくない言葉を放たれた
「でもそんなこと言いつつ来てくれる月島が好きだよ。」
「ばっ…かじゃないですかなにいってんですか僕がきたのはショートケーキ買ってくれるからって…」
月島は耳まで真っ赤にして憎まれ口を叩く
これは俺の自惚れだけど、月島は結構俺のことが好きだと思う
それは先輩としての俺への憧憬や良き友人として気のおけない存在ということなのかもしれないけど、押せば抱かせてくれるのではないかと思えるほどには良い反応をくれるし、なによりも彼のなかでその境界線が俺よりも曖昧なものであると感じる
そんなこと思ってる俺も大概だな…
まぁ、そんなことする体力も勇気もない。
いやでも
「スワッピングならワンチャン…」
「どうしたんですか。」
「イエ、ナニモナイデス」
ポーカーフェイスには定評のある俺でもゲス顔は我慢できないのかそれとも俺の思考は筒抜けなのか…とにかく月島に冷たい目線と声をお見舞いされる
これを彼の幼馴染み君や黒尾さんなら「ごめんツッキー☆」なんて言って、てへぺろするんだろうな…
