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第6章 Valentine's day




(わかりきったことだが、)とても興奮した様子の木兎が赤葦の後ろから抱きつき、あかあし、あかあしっといいながらうなじや背中にキスをし、身体中をなで回す

木兎に触られるうちに赤葦にも興奮が感染り、掌だけでなく顔や肩、肘でも体を支えるようになった

「ぼ…くとさ…ん」

たまらなくなった赤葦は必死に後ろを向きながら木兎の名を呼ぶ

「ん…あかあし、きもちい?」

こちらを向いた赤葦にキスをねだられていると思ったらしい木兎が、赤葦の噛み締められた唇にキスを落とす

「…はい」

木兎からのキスを喜びつつもそうじゃない感を出す赤葦。

そのまま壁のほうに向き直り、おでこを壁につけ1つ、深めに息をつく

「うしろ、ほしいなぁ…」

壁に向かってぼそりとそう呟くとぴたりと木兎の手が止まる

あれおかしいな全力を尽くしたのにと思った赤葦が木兎の様子を伺うと、体を反転させられた

「!?」

っばぁぁん!!

そして頭の両サイドに手をそれはもうとても、とっても勢いよくつかれた

「あかあし…」

しかし愛しい恋人の名を呼んだ木兎の顔はとても穏やかで溶けそうな瞳をしていた

まるで蜂蜜。

あぁ来年のバレンタインは蜂蜜入りのにしよう。まるで木兎さんだから。来年こそはしっかり前もって見にいこう

赤葦は、ゆっくりとおとされるキスのために閉じられる木兎の瞳を見てそんなことを考えた






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