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第6章 Valentine's day
「あかーし、よつんばい。」
ひとしきり顔中にキスをして満足したらしい木兎は、赤葦から一歩、また一歩と離れ風呂場の床のタイルを指さす
赤葦にとって指示されることは嫌いなことではない。むしろゾクゾクすることである。
赤葦は木兎を誘導して思い通りに動かしていることがよくある。だからそれの延長線上で誘導して指示させている感じがして、とても興奮してしまう。
「シャワー…」
木兎は壁に背を向けてよつんばいになった赤葦を少し眺めてからシャワーヘッドを手に取り蛇口を捻る
「っあ…」
背後からいきなりかけられたのと時間の経過でお湯が少し温くなっていたのとで赤葦は思わず声をあげた
「ご、ごめんあかあし、冷たかった?」
「あ、いえ大丈夫です。ちょっとびっくりしただけです」
お湯から逃げるように体を曲げた赤葦に木兎はシャワーから出る温いお湯を赤葦から避けるようにきゅっと身を縮める
