
Baby love
第9章 不器用な恋の行方。
M side
楽屋の前。
緊張で心臓が止まりそうだ。
なんならいっそ止まってほしいくらいだ。
翔くんはもう来てるかな・・・
初めが肝心なんだ。
ちゃんと、おはようって挨拶しなくちゃ・・・
がんばれ俺・・・!!
N「何やってんの。」
M「うわぁっ!!」
真後ろから声をかけられて、飛び上がる。
M「ビビらせんなよっ!!」
N「勝手にビビったんでしょーが。」
クスクス笑うカズに、なんだか泣きそうなくらい安心した。
M「カズ・・・」
N「・・・はいはい。大丈夫だよ。」
背伸びをして俺の頭をポンポンと撫でてくれるカズ。
やっぱ、知ってるよな・・・
翔くんから何て聞いてるんだろう・・・
N「振られた、って・・・それしか聞いてないよ。」
M「・・・」
N「ざまーみろって言ってやった。」
M「は?!」
N「あははっ、変な顔。笑
ウソだよ、そんな事言えるわけないじゃん。
すっごい落ち込んでんのにさ。」
翔くん・・・
落ち込んでるの・・・?
N「バカだよねぇ、2人とも。」
泣きそうな顔で、カズが笑う。
そっと抱きしめられて、心がふんわりと温かくなった気がした。
N「俺がどうこう出来る事じゃないからさ・・・。
潤くんが決めたなら、俺はそれで良いと思う。」
M「カズ・・・」
N「泣かないでよ。大丈夫だよ?
みんな何も変わらない。」
M「泣いてねーよ・・・」
N「ふふ、そうだね。
ホラ、中入ろ?いつまでもこんなとこ居られないよ。」
慌てて目を拭って、
カズに促されて楽屋のドアを開ける。
中には困惑顔の相葉ちゃんとリーダー。
そして・・・翔くん。
