
Baby love
第28章 幸せの味。
M side
最低最悪だ。
翔くんはムキになりやすい。
今まで一緒に仕事をしてきて視野の広い冷静な人だと思ってたけど、恋人になると違うみたいだ。
俺が怒るとすぐに焦って機嫌を取りに来るし。
簡単に許してなんかやらないからな。
思いっきり冷めた目で見てやろうと翔くんに視線を向けたのに・・・
S「潤・・・ごめん。」
M「・・・っ。」
上目遣いで、しょんぼりしながら俺を見る翔くん。
ズルい・・・
翔くん、自分も結構可愛い顔してるって絶対分かってないよな。
大きな瞳が、許して?と甘えてくる。
ズルい!ズルいぞこの瞳は!
M「・・・もう良いよ。」
そんな瞳で見られたら、許すしかない。
翔くんの顔がパァっと明るくなった。
S「今度ウチでも鍋しような!
あれ食いたい!ふわふわのやつ!」
M「ああ、メレンゲ?」
S「それ!あれ超美味かった!
潤が作るモンは全部美味いけど♡」
M「・・・普通だよ。」
S「照れてるぅ〜♡」
M「照れてない!」
S「可愛い〜♡」
デレデレと顔面を崩している翔くんはとてもトップアイドルには見えない。
・・・そんな翔くんに惚れまくっちゃってるんだけどさ。
S「潤・・・」
熱い視線で俺を見つめる翔くんは、さっきのデレデレした顔から一変、セクシーだ。
ユックリと唇が近付いてくる。
M「ダメだよ、」
だってココは翔くん家・・・
M「・・・」
そうだ!
翔くんのご両親の前じゃん!!
ハッと我に返って翔くんの顔を突き離す。
S「ぐぇっ・・・!」
顎を押してしまったので、思いっきり顔が上向きになって翔くんから変な声が出てしまった。
