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Baby love

第28章 幸せの味。




M side



M「わ!ご、ごめん!大丈夫?!」



S「痛ぇよ、潤〜っ、」



M「だって・・・」



チラリと翔くんのお父さんとお母さんの方を見ると、
新聞で顔を隠しているお父さん。
お母さんはお玉で顔を隠している。
・・・全然隠れてないけど。



M「あ、あの、すみません・・・」



「へ?!いえ良いのよ?!
2人が仲が良いのは私も嬉しいもの!
ねぇお父さん!!」



「あ、ああ。
いや、驚いてはいるが・・・構わん。」



お父さん、目が泳ぎまくってる。
男同士のイチャイチャなんか気持ち悪いよな。
しかも息子だし・・・



「ああ、すまない。
松本くん、気にしないで良いんだよ。」



俺が俯いてしまったからか、
お父さんが声をかけてくれる。
低い声が、翔くんに似ている気がしてドキっとしてしまった。



「今日は息子の意外な一面を何度も見て、ちょっと動揺しているんだが・・・
俺も嬉しいと思ってるんだよ。」



M「・・・意外な一面、ですか?」



ふ、と眉を下げて、困ったような優しい笑顔になったお父さん。
うわぁ・・・ほんとに翔くんにそっくり。



「翔が、こんなに甘える奴だとは思っていなかったからね。」



S「・・・うるせー。」



さっきのイチャイチャぶりを見せてしまったのがバツが悪いのか、不機嫌そうに翔くんがつぶやく。



「こんなに松本くんを好きなのに、
最近まで気づかなかったのか?
本当に馬鹿だな、お前は。」



S「色々あったの!!」



「ねぇねぇ、どっちから告白したのー?」



S「言うか!!てか腹減った!!」



「あ・・・乾杯もまだだったものね。笑
あんた達がイチャつくからじゃないの!」



お母さんが俺のグラスにもビールをつぐと、すっと立ち上がった。



S「なんだ?」



「では、翔と潤くんの末永い幸せを願って♡
カンパーイ!!」





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