Baby love
第1章 まさかの関係?
仕事が巻いた俺はかなり機嫌が良かった。
しかも明日は久しぶりの休みだ。
いや、最近の俺はだいたい機嫌が良い。
理由は自分でもなんとなく分かっていた。
スマホを手に取ると、迷わず電話をかける。
S「もしもーし。今から飯行かないか?」
M「今から?俺もう家だよ。」
S「仕事が思ったより早く終わっちゃってヒマなんだよ〜。
付き合えって。」
M「・・・良いけど。」
S「俺今日車だから、迎えに行くわ。
着いたらまた連絡する。」
ふふ、やっぱ断らないと思った。
俺の機嫌が良い理由。
それは、松本潤だ。
昔は小さくて細くて女みたいな可愛い顔で。
まわりにからかわれてよく泣いていた。
そんな潤が懐いたのが俺だった。
どこに行くにも付いてきて可愛いかった潤が、大人になって俺を避け始めた時の寂しさは今でも覚えている。
嫌われてしまったのかと思った事もあった。
冷たい態度を取るあいつに、どう接したら良いのか分からなくなった。
S「バカだよなぁ、俺も。」
人間の根本的な所ってのは、変わる事はないんだ。
あんなに甘えたで構ってちゃんだったあいつが、大人になったからって急にクールになるわけが無い。
俺から距離をつめれば、昔のように笑ってくれる。
俺が構うと、ぶっきらぼうな態度のフリして嬉しそうにする。
S「ふふ、まだまだガキだなぁ、あいつ。」
長年のぎこちない微妙な溝が埋まった俺達は、ちょくちょく飲みに行くようになった。
それが楽しくて仕方ないんだ。
今日は何を食べに行こうか。
こないだはイタリアンだったし、あっさり和食が良いかな。
まぁ、何件かピックアップして選ばせれば良いか。
それより早く迎えに行こう。
鼻歌交じりに、ご機嫌で車を走らせた。