Baby love
第1章 まさかの関係?
M side
返事を返す前に電話が切れた。
相変わらずせっかちな人だなぁ。
M「外寒いかなー。」
もう風呂にも入ってパジャマ同然の格好だった俺は、慌てて服を選ぶ。
まぁ、車だしそんなに防寒しなくても大丈夫か。
適当に見繕った服に着替えながら、今日はどこ連れてってくれんのかなと考える。
同じグループだというのに、2人で食事に行った時は全て翔くんが支払いをしてくれる。
それが何だか申し訳ないんだけど・・・
俺の事まだガキだと思ってんだろな。
昔と同じように俺を構う時の翔くんは、あの頃のようにヤンチャな顔をしている。
あの顔、結構好きなんだよな。
・・・好きってlikeね。loveじゃないぞ。
憧れと好きを勘違いしてはいけない。
断じて好きになってなどいない。
翔くんと2人で会う時に、こうやって自分の中で唱えるのが決まりになっていた。
じゃないと気持ちに流されそうな気がするから。
俺は、自分の気持ちを認めちゃいけない。
はぁ、と小さくため息をついたところでスマホが鳴る。
“ 着いたぞ ”
翔くんらしい短いメールに、緩む頬をペシッと叩きながら急いで部屋を出た。