Baby love
第5章 近付きたい。
M side
S「お前の皿だよ。俺ん家食器もあんま無いからな・・・
とりあえず茶碗と箸とカップは要るだろ?
こういう平たい皿って何枚くらい要るもんかな?」
M「・・・・・え?」
S「だって、一緒に食うだろ。」
俺の顔、大丈夫かな。
真っ赤になってないかな。
翔くんの家に俺専用の食器を揃えるなんて・・・
こ、恋人みたい。
S「あー、もうどれが良いか分かんねーわ。潤選んで。」
M「んー・・・」
どうせなら、翔くんに選んで欲しかったけど・・・なんて思いながら食器を眺める。
何気無く手に取ったお茶碗を見て、翔くんが笑った。
S「あ、それウチにあるやつと一緒だ。」
M「え、ホントに?」
お揃いか・・・
翔くん気持ち悪がるかな。
でも選べって言ったの翔くんだし、好きなのにして良いよな?
M「これにする。」
S「はははっ、まじで?笑」
ウケてる翔くんに恥ずかしくなって、無視をしてカップを選ぶ。
S「なぁ、潤、これは?」
翔くんが、“ J ”とイニシャルの入ったカップを手にしていた。
M「やだよ、イニシャル入りなんか恥ずかしいって。」
すると、ニヤリと笑った翔くんがカップをもう一つ手に取る。
S「俺はコレ。茶碗がお揃いなんだ、カップもお揃いだろ。」
・・・ヤバイ。顔がニヤけそう!!
M「・・・好きにすれば!」
顔も体も熱い。
翔くんは悪ふざけしてるだけなのに、こんなにもドキドキしてしまう。
食器も一通り選び終えると、俺の手からスッとカゴを取って翔くんが歩き出す。
ああ、食器入ってるんだからあんまり揺らさないでよ!
食器のカチャカチャ鳴る音を聞いて、慌てて丁寧に歩き出す翔くんを見て思わず吹き出す。
・・・可愛いなぁ、もう。
今日は珍しく可愛い所をたくさん見れて、すごくラッキーな日だ。
カゴの中に並んだ、2つのカップが揺れる。
“ S ”と“ J ”のイニシャルが隣に並んでいるだけで、すごく幸せな気分だった。