Baby love
第5章 近付きたい。
M side
ななななななんでっ!!
翔くんにふわっと髪を撫でられて、落ち着いていた胸の鼓動がまた慌ただしく動き出す。
駐車場にとめた暗い車内。
優しい目で俺を見つめている翔くんは、とてつもなくカッコ良くて・・・
翔くんの唇に視線を落としそうになって慌てて目を足元にそらす。
これ以上ココにいたらキスしたくなる!!
M「翔くん・・・っ、早く行こう!」
S「あ、ああ。そうだな。」
何だか微妙な空気になりながら、軽く変装をして店内へ入った。
M「とりあえず一通り必要だよなー。」
でも、翔くん1人だとろくに料理なんかしないだろうから、そんなにたくさん必要じゃない。
鍋もフライパンも小さめの物で良いか。
S「潤っ!見てこれ!レンジでゆで卵出来るんだって!!」
M「うん、要らないよそんなの。」
S「これは?レンジで魚が焼ける皿!!」
M「グリルあるんだから要らないでしょ?」
S「海苔がパンダにくり抜けるパンチだって!!」
・・・絶対要らないだろ。
M「うるさいなもう!!」
買い物が全然進まないじゃん。
飲み会までそんなに時間無いってのにもう・・・
シュンとして、パンダにくり抜けるパンチを元の場所に戻してる翔くんは可愛いけど。
ふふ、こんなとこに来る事無いだろうし、物珍しいんだろうな。
一通りカゴの中に放り込んで、翔くんを探すと食器コーナーをウロウロしていた。
M「翔くん、とりあえずこれくらいで良い?
使いやすそうなの選んだけど・・・」
カゴの中の鍋やフライパンを見せて説明しようかと思っていると、ろくに中身も確認せずに返事をする。
S「ん、何でも良いよ。
お前が使うやつだし。」
M「え?」
S「え?潤が作ってくれるんだろ?
俺料理出来ないもん。」
M「・・・うん。」
翔くんの家で、俺が使う物。
何だかこそばゆい気持ちになる。
・・・しかし本当に料理する気無いんだな。笑
S「あと、どれが良い??」
M「え、なにが??」
食器を眺めている翔くんが、ニコっと笑う。