Baby love
第7章 触れる。
酔ってるんだろうか。
さっき、ファンの子に見せつけるように俺に触れた潤。
色っぽく腰にまとわりつく手がエロくて戸惑った。
俺にこんな事して、さっきキスしようとしたの覚えて無いのか?
それとも覚えててやってんのか?
引き寄せて耳元で喋ると、ビクリと体を震わせる。
調子に乗った俺は、耳にキスをして囁いた。
力が抜けた潤を支えた時、ふわりと間近に潤の香りがしてこのまま押し倒したい衝動に駆られる。
ダメだな、俺・・・
ぎゅっと抱きしめて衝動を堪えた。
帰ろう、と潤を離そうとした時、切ない顔で俺を見つめる。
掴まれた腕に込められた力が愛おしい。
M「キス、してよ・・・」
・・・・・・え?
衝撃的すぎる言葉に、すぐ理解する事が出来なかった。
潤が・・・俺にキスしてって・・・?
あり得なくないか?
だって、キスって・・・好きな人とするもんだよな?
潤って俺の事好きなの?
まさか。
M「翔くん・・・」
名前を呼ばれて、潤の唇に釘付けになる。
良いのか・・・?
いや・・・
この状況で手を出すって最低だろ。
相手は酔ってるのに、間に受けてキスするなんか・・・
潤が1番嫌いそうな事じゃないか。
酒で2回も潤に迷惑かけてんだ。
今回俺が飲んでないにしても、酔ってる潤に手を出して後で引かれたら・・・
それより、酔ってて覚えて無いとか言われたらショックで俺死ぬかもしれない。
そんなキスはしたくない。
S「・・・潤、酔ってるな?
ほら、早く行くぞ。」
笑顔で潤を支えながら立たせる。
とりあえず、しっかりベッドに寝かせるまでは面倒見よう。
M「・・・・・・・。」
S「潤?」
俯いたまま、動かない。
まさか気分が悪くなったか?!
S「おい、大丈夫か?!トイレ行くか?」
肩を抱いて個室を出ようとすると、潤が控えめに体を寄せてきた。
M「・・・別に気分悪くない。
でも、結構酔ってるのかな・・・ゴメンね。」
S「良いよ・・・甘えろ。」
M「・・・・・・・。」
何でそんな泣きそうな顔するんだ。
本当に、思ってるより酔ってるのかもしれない。