
Baby love
第8章 伝いたい気持ち。
M side
仕事へ向かうのに、こんなに緊張した事あるかな。
キスして以来初めて会うんだ、どんな顔すれば良いだろう。
何度かメールのやり取りはしたけど、まだハッキリ気持ちを伝えていないまま・・・
翔くんと俺、同じ気持ちだって思って良いんだよな・・・?
翔くんとキスをした日。
俺はやっぱり眠れなかった。
ベッドの上をコロコロと転がりながらニヤける顔をおさえられなくて、早く会いたいってそればっか考えてた。
好きだって言いたい。
ずっとずっと素直になれなかったけど・・・
でもやっぱり俺は翔くんが好きだ。
もう止めらんないよ。
楽屋までの長い廊下。
ドキドキしながら歩いていると、前方に翔くんの背中が見えた。
M「・・・翔くん」
ポソリと呟いただけだったのに。
くるっと振り向いた翔くんは、俺を見つけると優しい笑顔を向けてくれた。
S「潤っ!」
ウソ、聞こえたわけじゃ無いよな?
なんで??
S「おはよう、早いな。」
M「なんで俺がいるって分かったの?」
S「え?なんとなく・・・呼ばれた気がした。
振り返ったらホントにお前いるんだもん。
ビックリしたよ。」
ニッコリと笑って俺の肩をポンと押す。
もう、なんだよそれ・・・
嬉し過ぎるじゃん。
S「呼んだだろ?」
M「・・・呼んでない。」
S「嘘だ、絶対呼んだ。」
M「ふふ、呼んでないってば。
自意識過剰。」
S「あっ、なんだよ!絶対呼ばれたもんね!」
ムキになる翔くんが可愛い。
2人で爆笑すると、ふいに手が触れた。
一瞬だけ、指が絡む。
M「・・・・・」
S「・・・手、冷たいな。もっと厚着しろよ。」
やっぱり、勘違いなんかじゃ無いよな?
俺を見る目が優しい。
向けられる笑顔が甘い。
