
Baby love
第8章 伝いたい気持ち。
仕事を終えた俺は、1人で部屋を掃除していた。
夜遅くなるし、ユックリ話したいから家の方が良い。
そう伝えた時、また掃除から始めなきゃいけないんじゃない?と冗談を言って笑った潤が可愛かった。
いつもの笑顔だ、と思ったけど、やっぱりふと寂しそうな顔をするから。
収録中も何度も抱き締めたくなった。
一度潤に片付けてもらってから、散らかさないように気を付けてきたつもりだ。
一緒に買ったキッチン用品はまだ開けてもいないけど・・・
食器だけは洗って棚にしまってある。
時計を見ると、22:00をまわっていた。
遅いな・・・
急に胸がドキドキと鳴りだす。
なんでこんなに不安になるんだ。
S「緊張してんのかな、俺・・・」
思えば、今までこんなに好きだと思った人は居なかった。
自分から告白したこともあるが、振られるかもなんて考えた事もなかった。
潤だって同じ気持ちのはずだ・・・
大丈夫・・・だよな?
そう言い聞かせていると、ポケットのスマホが震えだして思わずビクッとなる。
情けない。
ビビってんじゃねーよ俺!!
着信の相手は潤。
仕事が押したんだろうか・・・
S「もしもし?お疲れ!」
もうすぐ会えると思うと自然に声のトーンが明るくなる。
M「あ、ゴメン遅くなって・・・」
S「良いよ。今どこだ?」
M「あのさ・・・」
元気の無い声。
それに少し声が震えているような気がする。
S「潤、どうした?何があった?!」
M「・・・ゴメン、やっぱ今日行けない。」
S「・・・・・。」
来れない?なんで??
S「どうしたんだ?」
M「・・・・・ゴメン。」
S「何のゴメンだよ・・・」
急用が出来たわけでも、体調が悪くなったわけでも無いんだな?
俺に・・・会いたくないのか。
