はじまりのyama
第1章 気持ち
~翔の場合~
俺は、この人のことが好きなんだ。
ある日突然気がついた。
今までの胸のつかえが、一気になくなっていった。
智くんの横顔をボーッとみていたら、
「なに見てんだよぉ~?」
と、訝しげに言われてしまった。
これが最初だったと思う。
そのうちに、ボーッとからジーッとガン見してしまうように。
自分では全く気が付かなかった。
「しょおくん、おいらになんか用があるんじゃないの?」
と、智くんに言われる始末。
ん…あるような…ないような……
もごもご……
次は、にの。
あいつは曲者だった。
2人が一緒だと、にのは必ず智くんにまとわりつく。毎度のお約束。
なんだかムカついている俺をよそに、まんざらでもない智くんのの態度。
いつもなら何とも思わなかったのに。。
やっぱりムカついた。
挙げ句の果てに、キスまでしやがって。
唇ではなく頬にだけれど…
いや、ソレ云々ではない。
いや…やっぱりソコ、気になるところだよな…
よかった唇ではなくて……って、
いやいやありえないだろ!?
なぜか俺の頭の中はパニクり、何かが爆発したような衝撃を受けていた。