
スケートリンクと溺愛コーチ
第3章 はじまりⅡ
「ついたよ。」
おっと・・・
昔のことを考えているうちに、家に到着したみたい。
ご飯をたべ、お風呂に入り、リビングのソファでウトウトする。
ね、眠い・・・。
ラファが私の隣に座ってきた。
そのまま私の肩を引き寄せる。すると、私はラファによりかかっている体制になる。
「んん・・・?」
何だろ・・・?
眠りをジャマするものは許さぬぞ・・・
「眠そうだね・・・。寝てもいいから聞いていて。」
「さっき車で少し、昔の話にふれただろう?それでね。
杏莉、俺は杏莉を手放すつもりなんてないよ。あの日、ロシアで出会ったときからずっと、ずっと、俺は杏莉のコーチであり、兄であり、恋人だよ。」
「いくらほかにすごい選手がでてきても、俺は杏莉だけのもの。その代わり杏莉も、俺だけのもの・・・だよ。」
あ、やばい寝る・・・。
「う・・・ん。ずっと・・・一緒・・・。」
「うん。」
「好き・・・だいす・・き、らふぁ・・・。」
クスっとラファが微笑む。
「ふふ・・・俺も、大好きだよ、杏莉。
・・・だけど、大好きだからこそ試練を与えないとね・・・。」
ラファエルが何かをたくらんでいることも知らず、私は深い眠りに落ちていった・・・。
