
スケートリンクと溺愛コーチ
第8章 アイススケートフェスティバル当日!その2
ー柚sideー
「ふわあぁぁ・・・」
マヌケなあくびがでる。
思わずプッとふきだしてしまった。
現在時刻は午前8時。
昨日の夜、緊張で全く眠れなかったからか、寝不足気味だ。
「ついに・・・今日だ!」
今日のお昼から、待ちに待った杏莉様との勝負が始まる。
胸が、ドキドキとワクワクでいっぱい!
そこからは、着替えたり、メイクしたり、最終確認したりで大忙し。
あっという間に、本番の時間になった。
まずは、杏利様の演技。
杏莉様が出てきた瞬間、会場がワアアっと盛り上がる。
リンクの中央に立つ杏莉様が、ライトをあびて、輝いている。
杏莉様の衣装、とってもキレイ・・・。
今シーズンの衣装は、前回の大会のときにテレビで見たことがある。
だけど、実際のほうが数百倍キレイだ。
上半身は淡い水色で、右肩から左腰へと斜めに銀色のビジューがついている。
右肩は袖口がフレアなノースリーブになっていて、長い白手袋をつけている。
左側は長袖で、同じように袖がフレア。
下はヒラヒラの白いスカート。
綺麗な長い髪の毛は、2つの低めおだんご。
そしていよいよ、演技が始まる。
流れるようなスケーティングに、安定した技の数々。
演技が始まった瞬間から、思わず見入ってしまう。
気がついたときには、たくさんの歓声が、杏莉様をつつんでいた。
いよいよ、私の番だ!
