
スケートリンクと溺愛コーチ
第11章 番外編
「も、いっちゃ・・・あっ・・!」
体が熱い。
なんでこんなことになったんだろう・・・?
「も、やめっ・・・ やあっ・・・」
口から放たれるのは喘ぎ声のみ。
あのとき、もっと注意していればっ!
さかのぼること30分前。
「つーかーれーたー!」
アイススケートフェスティバルも無事?終わり、ラファとの仲直りも終わったからか、どっと疲れが襲ってくる。
時刻は夜9時。通常ならまだリンクで練習をしているところだが、今日は特別に早く帰ってこれた。
パーカーにショートパンツという姿でリビングにあるソファに仰向けで転がっているとラファがいきなり脚を触ってきた。
「ちょ、何・・・?」
ラファは脚フェチなのだろうか?
そんなことを考えていると、おでこをペシっと叩かれる。
「俺、脚フェチじゃないからね?たくさん使った足をそのままにしておくとむくんじゃうからマッサージしてあげるだけ。」
成程・・・。
確かにフィギュアスケーターにとって脚は(脚だけじゃないけど)大切なものだ。
ジャンプやスピンなどの技術的なものも、自分の体重を支えられるしっかりとした脚じゃなくちゃ上手くいかない。
かといってがっちりしすぎていてもいけない。
見た目的に。
「俺が好きでやってることだから気にしないで。」
このときの私はまだ知らない。
たまには良いかと思い、全く警戒していなかった自分を恨むことになるとは・・・。
