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スケートリンクと溺愛コーチ

第3章 はじまりⅡ

いつものとうり、Sクラス用のリンクに入る。

リンクの中央には、いつものメンバーと、目をキラキラさせている知らない子がいた。




「杏莉・・・様・・?」


名前を呼ばれる。どうやら私の名前は知っているみたい。



「ん?なあに?」


満面の笑顔で返す。

するとその子は、ボソッと何か言った後、フラっとよろけ、綾子さんに心配されていた。




「その子、だあれ?」



名前を知らないんだから、心配もできない。



「今日からSクラスに入った、新田柚よ。」





新田柚、新田柚・・・。よし、覚えた



「へえ・・・柚ちゃん、黒瀬杏莉です。よろしくね~。」







こうして、今日も練習が始まった。

自分のプログラムや技を練習していると、紀子ちゃんと少し話をしていた柚ちゃんが演技しだした。


おそらく、いま彼女がどの程度のレベルなのかを知るためだろう。



演技中の柚ちゃんを見て思った。




『なんか、嫌いだ。』



なんに対してそう思ったのか、なぜそう感じたのかはわからない。

もしかしたら、思い違いかもしれない。


いきなり新しい子を嫌うのは、よくないよね、うん。

そう思って練習を再開した。


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