テキストサイズ

FRIENDs -ars短編集-

第1章 一方通行 O×N

Oサイド


珍しくニノが甘えてきたから、
少し驚いたけど素直にニノの横に座った。

座ると、ニノが俺にすり寄ってきて
ドクンと心臓が脈打つ。

ニノを見ると
上目遣いでこっちを見つめていて
また心臓が飛び跳ねた。


ニノが目を閉じると、
急にニノの寝言のことを思い出した。


「…あのさニノ。」
「ん?」
「ニノって昔、相葉ちゃんと、何かあった…?」


ニノは少しびっくりした顔をしてから聞く。


「…なんで?」
「あの、寝言でニノが『まーくん…』って
言ってたの聞いちゃって…それで俺、
ニノは相葉ちゃんのことがって思い込んでた…」

「違うよ…!俺は大野さんのことが…!」
「いや、そうだけど…
相葉ちゃんと何かあったのかな…って…」


昔好きだったとか、そんなんじゃないよね…?

ニノが深刻そうな顔をするから、
余計に不安が煽られる。

じっと、ニノが喋り始めるのを待っていると
ついにニノが口を開いた。


「あのね…恥ずかしいんだけど…

…俺、昔迷子になったんだ。」


ニノの口から語られるのは、
中学生の時、相葉ちゃんと遊園地に行った話。
そこで迷子になって、相葉ちゃんに怒られた話。

だから、一人にしないでって。
どこに行ってたのって言ってたらしい。

ニノは昔、相葉ちゃんのことを“まーくん”って
呼んでたから、余計に俺が勘違いして。


俺、勝手に勘違いして、ニノに迷惑かけて。

でもそういえば、
ニノも俺が翔くんが好きって勘違いしてて…


「ねぇ、ニノ。俺が昨日
翔くんといっぱい話してたのはね…

ニノに告白しろって、
うるさかったんだよ。翔くん。」


なんかね、翔くんにはバレちゃったの。
そう付け足して、ふふ、と微笑う。

ふとニノの顔を見ると、
口を開けてポカーンとしていた。

そんな姿さえ可愛くて、ニノの両頬を引っ張る。


「そんな顔しないの、かっこ悪い(笑)」


俺がそう言うと


「はっほはるいっへなんは!」


かっこ悪いってなんだ!
って言ったみたいだけど、
全然言えてなくて笑ってしまった。

俺が笑うとニノは怒ったけど
でも、ふふ、と笑った。


「好きだよ…」
「…何、急に。」


ニノは俺を見つめたまま言った。




「これから…俺のこと幸せにしてね。」


俺は言った。


「……もちろん。」


*fin*

ストーリーメニュー

TOPTOPへ