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FRIENDs -ars短編集-

第5章 ハチミツを添えて A×N

おまけ


Aサイド


「は…!?」


かずはそう発して固まってしまった。


「んふふ、そりゃさ、正式には出来ないけど…
一緒に住んで、お揃いのもの買ったり。
『ご飯?お風呂?それとも私?』
なんてたまに言ったりしてさ…(笑)

一生一緒にいよう…?」


…俺にしてはかっこよく決まった気がする。


でもかずは相変わらず固まったまま。

と言うより俺の胸に顔を埋めてる。


「かず…?」
「バカ…」


え?


「まさきのバカっ!大バカっ!」


俺の胸元が濡れていく。

怒ってるのか、泣いているのか、
少し不安になったけど。

俺に向けたその顔は、笑っていた。


「…ありがとうっ」


泣きながら笑っていうその姿は、
また一瞬でトップ3にまで入ってきた。

きっと、俺の中のトップ3は無限にある。


でも、それ以上に嬉しくて
かずの手が俺に近づいて来たと思ったら
涙をそっと拭われた。


え…俺、泣いてんの…?


「泣いちゃダメだよ」

「かずもじゃんっ…」

「はぁ…あーもうダメだっ。
いつからこんなに涙脆くなったんだろ」

「歳じゃね?」

「そっか…俺もう33だもんな」


33…?

…あ!かずの誕生日っ!!!


俺は急いで立ち上がってかばんを取りに行った。


中から昨日渡そうと思っていた
プレゼントを出して、かずのところに戻る。


「え、何事?どうしたの?」

「かず…」

「はい」

「誕生日、おめでと!」


またかずは固まった。

俺はその手にプレゼントを持たせる。


「あっ!昨日俺誕生日か!」

「そうだよ。1日遅れてごめん…
34歳のかずも、大好きだよ!」

「はぁ、もう、あんたはなんでそうバカ正直に…」


そう言うけど、それが照れ隠しなのは知ってる。


「…で、なんでハチミツ…?」


かずは手に持たされたそれを見て首を傾げる。


「いや、何買っていいかわかんなくなってさ。
服は同じのばっか着るし、ゲームは
好みが分かれるし、アクセサリーもしないし…」

「それでハチミツ?」

「そう!何か、目に入ったから」


かずは文句を俺にぶつけてくる。


…でも、夫婦なら時には
ぶつかることも必要だよね?


かずのこと、絶対離さないからね。


これからも甘い日々を過ごそう。

ハチミツを添えて…


*fin*

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