君の愛しい玩具
第10章 始まりの星
「―――…なぁ…イトシ…
初めてプラネタリュウムを見に行ったときの事覚えてるか?」
「――――うん、感動した―――…」
まだ、出合ったはかばかりの僕たちを…轟さんが連れ出してくれた場所―――…
屋敷だと…沢山のお手伝いさんの視線が辛くて…
上手く話も出来なかった僕たちを…轟さんが…連れ出してくれたんだった…
薄暗くて…やけに落ち着いた雰囲気で…
でも、ワクワクして―――…
僕たちは…自然と手を繋いでたっけ―――…
「プラネタリュウムを見終わっても……帰りたがらなかったメデル君に―――…轟さんが困ってたね…」
「――――そうだったか?」
あ…あれ―――…
その時…僕…
メデル君に…何かを…言った気がする…
“帰りたくない…あそこには…星がない…”
「―――――僕が―――…メデル君に…沢山の…星を…見せるから…
僕が…メデル君の星を作るから……
メデル君が―――…寂しくないように―――………だから…帰ろう…」
「―――――イトシ…お前―――…」
繋いだ手が―――…ギュッと…強く…握られた…
あの時の…泣きべその…メデル君の様に…
強く…握られる―――――――――…