君の愛しい玩具
第3章 逆らえない自由
「じゃぁ…母さん―――…荷物まとめて…財御持の屋敷に送ってくれればいいから…
ごめんね…なんの相談もなしに決めちゃって―――…」
電話を切ると…自然とため息が出た………
僕は…結局―――…
メデル君の言いなりになるしかなかった…
轟さんに、高天学園の入学金と学費…寄付金の大体の金額を聞き―――…
抵抗するのを諦めた…
それと…高校に進級するにあたり…
メデル君のお付係りが必要だとか…身の回りの世話や轟さんの助手的な…手助けをする人材が必要だとか…
なんだかんだで…僕が、財御持家で住み込みのバイトをする…と、言う意味不明な名目が勝手に出来ていた…
そこから…メデル君への借金は返済する…
と、なんとも…無茶苦茶な提案を僕は飲まざる得なかった…
両親も…メデル君の発案だろと思ったに違いないが…
納得して…僕を財御持家に送り出してくれた…
それよりも…
高天学園の学費は、自分で払えるから心配しないでと…両親からの援助を断る方がよっぽど骨が折れた―――…
両親も…高天学園の学費が安くない事ぐらい…解っていたから―――…
奨学金や補助が出たから―――…
と、両親に嘘をついて納得させたが…心苦しかった…