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第11章 I4U

千晃side





あっという間に夏休みも終わり,二学期に




あれから変わったことといえば









秀ちゃんが私に冷たくなったこと









秀ちゃんと話すのは本当に楽しかったのに

私にだけ,どこか冷たいというか,素っ気ないというか

いつの間にか,秀ちゃんが苦手になっていた






千「…というわけなんですよ宇野ちゃん!!!」

宇「それってさあ…」

瑞「…うん」

響「それは千晃が自分で気づかなきゃいけないところ」





夏休みくらいから宇野先生のことを宇野ちゃんと呼ぶようになり

瑞穂や響生,宇野ちゃんと一緒に買い物とか恋バナをするようにまでなった




響「んで,千晃は西島くんとよろしくやってんの?」

千「ん?どゆこと?」

宇「この子純粋なんです,ほんとに」

瑞「西島くんも踏み出すの大変だな〜(笑)」

響「ほんとにね。(笑)」






休み時間も終わりに近づき,教室に戻る





浦「この発音なんていうの」

真「ちゃう,そこはRじゃなくてLのほう」

西「真司郎とペアなんて最悪だよなほんと!ダメ出ししかされない!!」




相変らず私の机の周りで騒いでるみなさん




千「なにしてんの?(笑)」

日「次コミュ英のペアテストじゃん」

千「あ!!!!!!!!忘れてた………」

秀「千晃がどっか行くからひとりで練習してたんだけど」

千「あ…ごめん…」

秀「ん。」






ほらもう

機嫌悪いの丸出しじゃん




授業になってもそれは変わらず

コミュニケーション取らないといけないから表情柔らかく…って言われてるけど

秀ちゃんは顔色ひとつ変えないし

私が笑ってみても全くの無表情






先生「発音ミスとかはないけど…おまえらもう少し表情柔らかくしろよ(笑)」

千「だって秀ちゃんが…」

秀「俺が何」




先生の前でもほんとぶっきらぼう

そろそろしんどいな…




先生「まあ,伊藤は末吉とペアでよかったな」

千「なんでですか?」

先生「頭いいやつと組まないとお前は酷い点数取るだろ」

千「ひどい…先生まで…」

先生「はい,次〜」







必要なこと以外,秀ちゃんとはあまり話さなくなってしまった


何も言えず,秀ちゃんの背中をじっと見つめていた

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