テキストサイズ

第6章 Still love you

((梓side))







西「…あの,なんですか。髪が濡れるんですけど。」








それでも隆は冷たい








これがきっと隆の答えなんだ








やっぱり、私は眼中にない








「…す…みませっ…ん……っ…」








それでも涙は止まらない








震える手でハサミを拾おうとしたとき








西「ったく…」








隆は立ち上がると,私を優しく抱きしめた








西「なんで泣いてんの」

「…だって…うっ……たかっ…が…」

西「もう嫌いになったと思った?」

「うんっ…」

西「ごめん。ほんとにごめん。やっぱ俺,梓がいないと無理」








言葉が出ないってこーゆーことだ








涙が絶えず溢れ続けてる








震えがとまらなかった








西「…落ち着いた?」

「うん…」

西「俺…さ,梓がいなくなって,見える世界がつまんなくなった。」

「私もっ…隆がいないと…ぜんぜん前も見えないし…楽しくなかった…。」

西「…なんで急にいなくなった?俺のこと嫌いになった?」

「隆のことは大好きだよ…。隆が疲れて帰ってきたときに,私は隆のためになにもできなかった。仕事みたいに,笑ってないといけない環境を作ってた。隆には,自然に笑っててほしいから…」

西「俺が無理に笑ってるように見える?」








隆の顔を改めてよく見る








テレビや写真集よりもその笑顔は眩しかった








それだけでまた涙が出そうになる








西「ごめんね,不安にさせて。寂しい思いさせて。」

「たかっ…」

西「なに?」

「ごめんね…?」

西「梓は笑ってればなんでもいいの!」

「ありがとう…」









こうして,私たちはまた寄りを戻すことができた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ