虹
第6章 Still love you
((梓side))
秀「まあ西島はいつも広瀬ちゃんだもんな」
西「ん〜,(笑)」
頼むから秀太くんの担当であってほしい
秀「じゃあ俺,今日は木村さんで!」
この時だけは秀太くんが鬼に見えた
店長「わかりました!西島さんはどうします?」
西「ん〜,どうしようかな」
秀「あ,西島は広瀬ちゃんでお願いします!」
西「おい,なに勝手に(笑)」
店長「どうしますか?」
西「じゃあ〜,広瀬さんで」
名字で呼ばれた
しかも,さん付け
私たちの空いた距離を示しているのかもしれない
受付のイスに座って待つ隆の元へ,重い足を進める
秀「頑張れよ」
秀太くんはすれ違いざまにこう言ってくれた
「…本日担当させていただきます,広瀬です…
準備…できました…」
隆は,ちらっとこっちを見ると黙って立ち上がり,荷物をまとめた
やっぱり…怒ってるよな…
少しだけ期待してた
隆がまた自分の名前を読んでくれるんじゃないかって
涙が出そうになるのをこらえて個室へ向かった
「今日は…どうされますか…?」
西「いつもので」
ひさびさに触れる隆の髪
私の大好きだった匂い
集中しないといけないのに,鏡越しに隆の顔を見つめてしまう
西「…なんか付いてます?俺の顔に。」
「っ…いえ…なんでもありません…すみません。」
あの時みたいな低い声
目も冷たくて,ぶっきらぼうな口調
当たり前なのに悔しくて,苦しくて
急に息をするのが辛くなる
前が見えなくなって,ハサミを握っていられなくなった
気づけば目からは涙が溢れていて,ハサミも床に落としてしまっていた
秀「まあ西島はいつも広瀬ちゃんだもんな」
西「ん〜,(笑)」
頼むから秀太くんの担当であってほしい
秀「じゃあ俺,今日は木村さんで!」
この時だけは秀太くんが鬼に見えた
店長「わかりました!西島さんはどうします?」
西「ん〜,どうしようかな」
秀「あ,西島は広瀬ちゃんでお願いします!」
西「おい,なに勝手に(笑)」
店長「どうしますか?」
西「じゃあ〜,広瀬さんで」
名字で呼ばれた
しかも,さん付け
私たちの空いた距離を示しているのかもしれない
受付のイスに座って待つ隆の元へ,重い足を進める
秀「頑張れよ」
秀太くんはすれ違いざまにこう言ってくれた
「…本日担当させていただきます,広瀬です…
準備…できました…」
隆は,ちらっとこっちを見ると黙って立ち上がり,荷物をまとめた
やっぱり…怒ってるよな…
少しだけ期待してた
隆がまた自分の名前を読んでくれるんじゃないかって
涙が出そうになるのをこらえて個室へ向かった
「今日は…どうされますか…?」
西「いつもので」
ひさびさに触れる隆の髪
私の大好きだった匂い
集中しないといけないのに,鏡越しに隆の顔を見つめてしまう
西「…なんか付いてます?俺の顔に。」
「っ…いえ…なんでもありません…すみません。」
あの時みたいな低い声
目も冷たくて,ぶっきらぼうな口調
当たり前なのに悔しくて,苦しくて
急に息をするのが辛くなる
前が見えなくなって,ハサミを握っていられなくなった
気づけば目からは涙が溢れていて,ハサミも床に落としてしまっていた