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第7章 Memory Lane

隆弘くん×ひづきちゃん




私たちはいわゆる倦怠期




「おい」


" ………"


「俺、ひさびさに帰ってきたんだけど?」


" 有名人はお仕事忙しいもんね。 "


「なに、拗ねてんの?」


" ずーっと仕事してればいいじゃん。かわいい子たくさんいるんだから。 "


「…お前なぁ」


" 邪魔になるだろうから帰るね。 "







__ 本当は喧嘩なんてしたくない


1st LIVEやら新曲やらで一層忙しくなったようで

一緒にいられる時間がほとんど無くなってしまった

今思えば、ずっと一緒にいれたことがおかしい気がする

いつしか寂しさからストレスがどんどん蓄積されていくようになり

言いたい事が言えず、言葉足らずになってしまい

そこから喧嘩に発展して…の繰り返しだった







顔半分をマフラーで隠しながら、キラキラと光る街を歩く



それほどゆっくり歩いているつもりはないのに



私の横をどんどん人が通り抜けていく



隆と一緒に歩いているときは、そんなこと感じなかった



星が浮かぶ夜空に目をやりながら、なんでだろうなって考える






…あぁ、そうか。

隆が…、歩幅を合わせてくれてたんだ









「おいっ…!!!!!」




後ろのほうから聞こえた叫び声

誰の声かなんて、振り向かずともわかる

愛しい人の声がわからないはずがない





振り向く前に、ぎゅっと抱きしめられた




" ちょ…隆…みんな見てるから… "


「俺はひづきしか見えてないから」


" 私…、わかんなくなっちゃった"


「何が?」


" …隆の前で、どんな人でいればいいのか "


「何それ(笑)」


" ちょ、真面目な話なんだけど"


「単純なひづきでいてよ」


" は?…私は本気で…"


「ありのままでってこと。ひづきが俺を一個人として見てくれたようにさ。特別とかじゃなくていいから。」

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