虹
第7章 Memory Lane
___ ありのままでいい ___
私は、誰かにそう言われるのを待ってたのかもしれない
今なら…今ならありのままの気持ちを言える…
" 隆…あのね…"
??『西島さん!』
私の気持ちを塞ぐように現れた1人の女性
NissyのMVにも出てた、今とても人気のある女優さん
「お!こんばんは!」
『先日はお食事ご一緒させていただけて、とても楽しかったです!』
___ 食事、行ったんだ ___
『昨日は夜遅くにメールしちゃってすみません(笑)』
___ 連絡先も…交換してるんだ… ___
『あ…そちらの方は…』
「新沼はづきっていうんだよ〜」
自分の名前を呼ばれて我に返る
" はじめまして "
『もしかしてこの子が…例の…』
…例??
私のこと…噂してたのかな…
私となんか早く別れて、付き合おうって約束でもしてたのかな
最悪な女だって…愚痴ってたのかな
「はづきは俺のかの…」
" いえ!ただの…ただの友達なので…。邪魔してすみませんでした。失礼します。 "
「…おい、はづき!!」
呼ばれても振り向かない
振り向けるわけがない
勝手にこんなこと言っておいて、どんな顔して話せばいい
…あ、そっか
早く別れたほうがいいんだもんね
そうすればあの人と、堂々と街を歩けるもんね
星空と、街を彩るイルミネーションを背に
頬を伝う涙を拭いながら走った
その先に光がある気がして
何かにたどり着ける気がして