虹
第10章 LOVER
目が覚めた
まだ夜みたいだ
殴られて、それから意識を失って……
誰かが部屋まで運んでくれたのか
起き上がろうとすれば頭に激痛が走る
" いっ…たぁ… "
すると、西くんが部屋に入ってきた
「令ちゃん!…大丈夫??」
" 西くん…どうして… "
「ごめんね、もう日付変わったのに」
" 運んでくれたの? "
「令ちゃん意識無くすし、お母さんも暴れ出すしで大変だったよ(笑)」
そう言って私の頭に手をあてる西くん
よく見ると、手のひらにはさっきまでなかった切り傷
しかも結構深めで、袖口にも血がついている
" 西くん…手… "
「あぁ、これね…さっき扉の角で切っちゃって!(笑)」
" ねえ、ちゃんと教えて "
「…お母さんが暴れてね。最初は机の上荒らしたりもの投げたりだったんだけど、だんだん令ちゃん目がけてお皿割ったりし始めて。それでさっきカッター持って令ちゃんの方へ行ったもんだから押さえてたら刺さってね。お姉さんが明日病院に連れていくって言ってた」
" ごめんね…本当にごめん… "
なんて最低なんだろう