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第11章 I4U

千晃side





なんとなく、嫌な予感はしていた



男がぶつかってくる前に、部屋が同じだった瑞穂と響生と、こちらを見ながら話をしていたから




殴られそうになったときに、女2人と同じように虎のタトゥーが入っていたのが見えてしまった




つまり、あの人たちはグル



徹底的に、潰すつもりなんだろう




秀太たちは喧嘩で1度も負けたことが無い…と前に聞いたことがある




ほかの不良にとっては、邪魔な存在なのだろう





…また、なにかされるのかもしれない







秀「…落ち着いたか?」

千「…うん……ごめんね??」






嘘。全然震えが止まらない







秀「どちらかといえば、ありがとうのほうが嬉しいかな…(笑)」

千「じゃあ…ありがとう…」






今日も明日も、あの人たちと同じ部屋

考えただけで恐ろしかった







秀「…千晃、俺たちの部屋…来る?」

千「…え?」

秀「集会中にあの男と、千晃と同じ部屋の女が一緒にいるの見た」

千「でも…」

秀「千晃に何かあったら嫌だし、不安な思いさせたくない」






全部全部、見透かされてた






秀太にぎゅっと抱きしめられる






秀「…まだ震えてる。(笑)」

千「そ…そんなこと…」

秀「嘘ついたでしょ。ジュース奢りね」

千「なんでそうなるのよ(笑)」

秀「…やっと笑った。」







言われて気づいた

せっかくみんなといるのに、笑えてなかった







千「私…笑って…」

秀「千晃の笑顔、守ってやるから。」







秀太の優しさにだいぶ心が救われた

重いものがすっと落ちていった、そんな気がする






秀「じゃあ戻るか!走るぞ!」



秀太に手を差し出される



千「…うん!!」

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