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「犬哭峠」

同じ頃の話。

九州で最恐と名高い心霊スポット、これが犬哭峠(いぬなきとうげ)。

鎧武者の霊が出るとか、赤い車で行くと手形がボディに付いてるとか。

奇数の人数で行くと１人が連れて行かれるとか。

最深部の廃トンネルに入ると必ず霊を見るとか。

様々な噂で名高い。


こなんなん聞いたら行くしか無いっしょww

俺とマルでノリノリだったww

そしてそのまま計画性も無しにGOwww


元同級生の山田を拉致ろうとして電話したら、

山田「わりぃ！今日はバイト！」


俺「山田バイトだってさ！奇数で行きたいから後1人やっぱ欲しいけど、この時間で捕まる奴誰か居る？」

マル「裕也がもうちょい先に住んでたはず？」

裕也も元同級生。

俺「話した事ねーよ？」

マル「俺も番号は知ってるけど、仲良くは無い」


俺「まぁ、関係ないかww」

マル「拉致っちゃえばこっちのもんww」

俺「だなwww」

とりあえずコンビニに車を停めて、買い出ししながらマルが裕也に電話。


俺は地図を見ながら経路を確認したらしてたら、マルは何故かロウソクを購入。

トンネルで怪談でもするんかな？って、あんまり気にはしてなかった。

マル「裕也来るってさ！でも何か不審がってた様な？一応、ドライブって事にしてある」

俺「裕也が車に乗り込んで歩いて引き返せないぐらいなとこに行くまでは、俺は隠れてた方が良さげかな？」

マル「そうねwww」


マルからのドライブでの誘いにすら不審がってた裕也だから。

そこに俺が乗ってたら、不審どころか確信に変わりそうww

車に乗らずに逃げちゃいそうな気がするしwww


後部座席に横になって、荷物やら積んであった洋服に埋まって隠れる俺ww

車に乗せちまえばこっちのもんさ〜www