
箱………仇
第1章 人の不幸は蜜の味…
父は…若くして妻を無くした…
21歳の時だったと聞く――――――…
凄く…苦労したと言っていた…
父の実家には…一度も行ったことはないから…
母の件や…私の件で…勘当とか…されたのかも知れない――…
だから…父は…誰にも頼らず…生きてきた…
住み込みの職場や…
朝、昼、晩…と…働けるなら何処でも働いた―――…
夜の仕事もしたが…
父には、合ってなかったらしく…すぐにやめて帰ってきたのを覚えている
キャバクラの黒服だったらしいが…
「香水とか…タバコとか…お父さん…無理だった…」
って、笑った顔が疲れていた…
今は、タクシーの運転手として長くやっているが…
人付き合いの苦手な父の助けになりたい―――…
私はいつもは思っている…
