テキストサイズ

ある晴れた冬の日に

第3章 約束


俺と彼女の出会いは、今から19年年前にさかのぼる。


当時俺が高校2年の4月。所属していた美術部に新入生で入ってきたのが彼女だった。


『絵を描くのが大好きです。どうぞよろしくお願いします』

自己紹介をする君は、色が白くてきれいな目が印象的だった。
彼女はユーレイ部員や不真面目な部員もいる中、毎日部活にきて楽しそうに制作に励んでいた。


俺にとってそんな君は、いつしか心惹かれる存在となっていく。


やがて2学期に入り俺が部長に抜擢されると、部長の権限で俺は彼女を副部長に指名したのだ。


『え、私がですか?』


『うん。決まりね』

『はい…』

それからは2人で休みの日に画材を買いに行ったり、文化祭に出品する作品の案を考えたりと、俺の毎日が一変した。


彼女といるだけで嬉しくて、心が躍った。
それは相手も同じだったと思う。

なぜなら俺を見上げる時、いつもはにかんだ感じで笑うからだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ