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『ヒボクリトの贖罪』 大阪在住40男とメイド達の非日常性活

第11章 ami(年齢不明・介護士)『過去を壊してください。』

それから、翌日にかけて何度もamiさんのメールがきましたが、
私は返信をしませんでした。

最初は謝罪のメール
そして、自らのことについて色々と語ってくださいました。

何通目のメールだったか
彼女は高校時代にレイプに合った過去を話してくれました。

それから人間不信になり、セックスを愛情の表現ではなく
ただの、快感を得るため、自分を忘れるための道具として捉えるようになったこと
だから、まわされても何とも思っていないと。
そんなことが書いてありました。

「本当ですか?それは、本心ですか?」

思わずメールを返していました。

「メールありがとう。
うそです。怖かったです。
 でも、そう考えないと壊れてしまいます。」

彼女の気持ちが痛いほどわかりました。
肉体と精神を分けて考えないと、耐えられない痛み。
彼女はそれを感じていたのです。

私も同じ。自らをごまかしながら生きていることに変わりはありません。

むしろ、肉体的な反応を見ることで精神的なものを満たそうとしている分、
彼女よりたちが悪いかもしれません。

ただ、私も彼女も、そういう生き方をしなければ壊れてしまう。
知らず知らずの内に自己防衛本能が働いたのかもしれません。

彼女が言うように、『同じにおい』がしました。

「一度、会いましょうか?」
「はい、色々と忘れるくらいのことしてください。
 忘れさせてください。」
「かしこまりました。」

私たちは翌日の夜、会う約束をしました。



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