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現に私は
彼のおかげで無事に帰宅できたのだもの。


恐い目に遭わず


コワイ思いもせず……。






そう・・・





〃コワイ〃…と思わずに……。





私は……私の心臓は…



〃ドキドキ〃と鼓動をうっていたけど



〃ドクドク〃 〃バクバク〃と…
息苦しくなったり


発作を起こしそうには一度もならなかった。





……同じ



〃男の人〃なのに……。















そのことに



この時の私は



まったく気づいてなど、いなかった。













フシギな男性(ひと)・・・。





フシギな その人・・・。







厳しい冬がおわって おとずれる




あたたかくて やさしい季節






まだかすかに


冬の香りをのこした


春の夜に








私の前に吹いた



やわらかな 春の風








その人が・・・現れた 夜のこと・・









あの人との・・・出逢いだった。