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Best name ~ 追憶 ~

第2章 私の希望

春が過ぎて梅雨をむかえるころ…

私はいつものように
彼と食事に行っていた。


真夏でもないのに結構な気温。
食事をしただけで汗ばんでしまう。


猫舌の私をからかう彼。

『自分だって・・・ごはん粒ついてるよ(笑)』

『・・・マジ;💧?』








『暑くないの?』


長袖にパンツスタイルの私を見て
彼が言う。

対する彼は

白いTシャツに

ブルーのジーンズといった

涼しげなスタイル。




どこかオシャレで整っていて
長身でスタイルの良い彼には
とても良く似合っていた。



『夏服でもみようぜ?』

寄り道してのショッピング・・・

ナゼか婦人服のお店にばかり入る彼。




『・・・自分の服見れば?』

『暑いだろアイ?日焼け対策か~?
女の子は大変だなっ?』





・・・聞いちゃいない。


楽しそうだ。




目尻に笑いジワをつくって
私に微笑みかけていた。





まったく・・・





なんて思いながら
彼についてお店をまわった。






スカートにブラウスに・・・次々と
オシャレな服を私に見せてくる彼。




『こんなのとかさ♪』

『着ない』






『涼しそうだぜ?~コレは?』

『・・・ほしくない』







『~~たまにこんなのとかさ~…』

『・・・・・』







・・・・・。












バチンっ・・・






私の耳の奥で音がした気がした。









ドク…ドクっドクっ……バクバク…っ








一瞬で頭の中が支配されて
視界が鈍くなった。



目の前にいるはずの彼の姿が見えなくなり

彼が私にかざしてみせるワンピースだけが

私に近づいてくるように
くっきりと浮かんで
私の視界を塞いでいた。


『・・・っ』

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