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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

偶然なのか・・・お見通しだったのか


それとも違う意味なのか・・・。




彼の言葉に

その声に・・・



私の強張った体から

一瞬で、力が抜けた気がした。



私は・・・目を開けて
ようやく彼を見た。


『・・・っ・・・ごめ・・・ん、私』



『ヨシヨシ……(笑)』




敢えてか、私を子ども扱い(?)して

目に溜まった涙を
指で拭ってくれた。





『つらい?』


彼は微笑んで私に聞く。



〃『ううん』〃


私は黙って首を振って答えて
再び彼に身を任せた。


『ふふっ…。アイルは
マジメな頑張り屋さん過ぎて困ったな(笑)』


『・・・・・』






『ん・・・。も少し……』


『ん・・・ぅん。・・・っっい』






のけ反りそうになる私の肩を
彼がしっかりと抱く。



『イタイ・・・イタイっ・・・イタっ・・・ん』




そして、声をあげる私の唇を
彼の唇が、そっと塞いだ。



『~~~っ・・・!!』



私は彼の背を両手でぎゅっと掴んだ。




つよく・・・しっかりと
私を抱く腕・・・。



ズシ・・・ズズ・・・っと

下腹部に、あつい痛みがはしる。











私は初めて男の人に・・・


大好きな人に・・・


愛してる・・・人に





その、あたたかくて

やさしい手の中に抱かれた。



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