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Best name ~ 追憶 ~

第3章 私の大切な人

『ぃた・・・いたぃ・・・っ』



ダメ・・・

大きな声を出したりしたら
彼が気にする・・・。





イヤなんじゃない

コワイんじゃない・・・だけど・・・







『いっ・・・痛っ・・・んんっ!』



私の身体はのけ反って
彼を突き飛ばすように上に逃げてしまう。



ついつい力が入って
ガチゴチの私に彼から幾度となく

〃『やめとくか?』〃

というやさしい眼差しがふってくる。


その度に首を横に振る私を
彼は何度もリラックスさせてくれた。

やさしく触れて…

私の頭を撫でては
落ち着けてくれたり

背中をさすってくれたり
やさしい表情で私を見つめてくれていた。




自分も緊張している・・・と
教えてくれた彼だけど


私にとっては、やはり
とっても落ち着きはらって
冷静に見えてしまった。







『イ…イダイっ…っっ…うっ』




ダメ・・・ヘンな声、出しちゃ・・・








イヤだ・・・






リョウキに・・・嫌われたくない。






このまま・・・受け入れたい。










声を抑えると
代わりに涙が出てくる・・・。



イヤだ・・・気づかれたくない。





ダメ・・・こんな


いつまでも


痛がってばかりいたら・・・



痛がったりしたら・・・





『っっ・・・』




コドモじゃ・・・ないんだから、私。




『アイル・・・』




『~~~っっ・・・』






でも・・・いたい。






いや・・・



嫌われたくない。






『アイル・・・?大丈夫……。

こわがらなくて…大丈夫』





『・・・・・』








『そのままのアイルで……大丈夫』



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