テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第4章 ひとりに・・・しないで

私は幸せだったよリョウキ



リョウキに出逢えて

一緒に過ごせて

本当に幸せだった





カラッポだった私が・・・

男性(だれ)も信じられなかった私が

人を好きになった





幸せを・・・知った






人を好きになる幸せ・・・


人を愛する幸せ・・・






たくさんの幸せをありがとう







愛してくれて・・・ありがとう














どうか、もう後悔のない人生を・・・


あなたらしく生きてね





そのやさしい心が

もう痛みませんように・・・






できれば幸せに…

ううん

絶対に…幸せに生きてね







大好き・・・






はなれていても・・・きっと


ずっと


大好きだよリョウキ・・・







本当に・・・今まで





『ありがとう・・・っ』









私は彼が掴んだ私の手を
握り返して感謝をこめた




そして



二度と会えない覚悟をして

大好きな、大きくてあたたかい手を

ふりほどいて

彼の前から走り去った






雨に打たれて、ひたすら走った




これ以上いたら

この手がはなせない




はなしたくない





どこにも行ってほしくない・・・






このままいたら
私はきっと彼を困らせてしまう






おいていかないで・・・


どこにも行かないで・・・って




その手を
握り返してしまう









私は

手をはなした






大好きな・・・その手を

ストーリーメニュー

TOPTOPへ