テキストサイズ

Best name ~ 追憶 ~

第4章 ひとりに・・・しないで

『おう、おはよーさん』




翌日、ソウタさんが
いつものように迎えてくれた



…目が腫れ上がり
ボサボサ頭の私を・・・




『おはよう・・・ございます』







謝ろうか…事情を話そうか



戸惑う私をソウタさんは
何事もないようにかわした




『~ヨシ、朝メシできたぞアイル~♪
冷めないうちに食えよ~?』







ソウタさんは何も聞いてこない






ホカホカのごはんが湯気をたてる






『ソウタさん・・・』


『お~?・・・モグモク』




言わなければ良いこと…


私が・・・ソウタさんに甘えて
巻き込んだことだけど



少なからず心配をかけた以上…
何も言わないなんて良くない・・・




『あのね…ソウタさん

私・・・リョウキと別れちゃったんだ…』







『・・・。・・・モグモク』









『ケンカ・・・とかじゃないんだけど…』







『~・・・そうか』






『・・・』






『そうかそうか・・・』






いつもと変わらぬソウタさん







交際を報告した時と同じ
ソウタさんのセリフ




あの時とちがうのは…


喜んでくれている笑顔じゃないこと








『私・・・』







『~~男と女だァ…色々だろォよォ・・・

べつに、いいんじゃねェかぁ~・・・』






多くを求めず
ただ受け止めてくれるソウタさん






ソウタさんは
彼とも仲良くしていた




私たちの交際を…

私の変化を見守り、喜んでくれていた





何も言及してこないけど



さぞ落胆しているだろう





心が・・・痛かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ