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Best name ~ 追憶 ~

第4章 ひとりに・・・しないで

『フフン・・・オトナんなったナァ、アイル~…』



『ぇ・・・』





こんな私の・・・一体どこが・・・?







『休むかぁ~?今日…』



ソウタさんが少し笑いながら私に聞く






『失恋休暇・・・たまにゃぁ
認めてやらねぇでもねぇぜ?フフン・・・』





私が重たくした空気を吹き飛ばすように
破天荒なことを言う





冗談めかしてるけど…わかる



私は昨夜あんなひどい姿をみせたのだ




ソウタさんならではの…気遣い






『ん?・・・アイル~・・・』






確かめるように聞くソウタさんに

私は〃ううん〃と首を振った






これ以上甘えられない





プレッシャーのような意味合いじゃないけど

それは…当たり前だって思うから





仕事でまで

そんな甘えなんていけない





そのやさしさだけで十分





普通に考えたら
恋愛沙汰で仕事をお休みだなんて
…ない話だ




私は冷静になろうと深呼吸した




『…そうか。ならまず
ちゃあんと食えよアイル?残すなよ~』




『はい・・・。いただきます』





手を合わせて
ソウタさんの作ってくれた朝食を食べた



のこさず・・・食べた






『ソウタさん・・・私

切り替えて・・・また頑張るから』






倒れてなんかやらない・・・



前の私とは違うんだ…逃げ出さない

投げ出さない



弱虫の私には戻らない




『フフ・・・オトナに・・・
イイ女になったナァ、アイル・・・。

いいんだゾォ…そうやって恋愛して
失恋して…また恋愛してもナァ・・・』





ちょっと不器用に
言葉を投げたソウタさん・・・




〃前向きに〃・・・という

励ましに聞こえた







大きい手をポンポンと私の頭にのせて

ソウタさんは先に病院側に移動していった





大きな背中が・・・

少し寂しそう立ったけれど・・・。

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